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日別アーカイブ: 2026年9月2日

”きょうも、ぼくがきめてもいい?”

先月は更新ができず、すみません。

虫捕り、製作、ブロック、お絵描き、ごっこ遊び等々、こども達それぞれの興味関心に応じて、熱が高まっている今日この頃です。

ご家庭で朝から「早く保育園に行きたい」と言っているお子さんもいるようです。こども自身に「保育園に行く目的(何をしたいか)」があり、「自分が行きたい」と思える場所になっているということは、教育者として、何より嬉しいことです。

これからも保育園という場所が、こども達一人ひとりがいきいきと過ごし、遊びや生活を通して豊かに育っていく場所であり続けられるよう、職員一同尽力して参ります。

今月も写真のあとにブログ記事を書きますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

 

 

 

 

 

 

「これぐらい、いいだろう。」のバッドサイクル

保育や子育ては、特別な一日で決まるものではありません。

毎日の何気ない関わりや、小さな判断の積み重ねによって、少しずつ輪郭が立ち上がり、細部が描き込まれていくものです。

巷でも現場でも、「保育の質」という言葉がよく使われます。

この、保育の質を左右するのは、特別な技術や高価な教材、設備の立派さだけではありません。

実は、おとなの毎日の一つひとつの小さな選択が、大きなインパクトを持っているかもしれません。

組織論には、「逸脱の正常化」という考え方があります。

最初は「例外」だったことが、問題が起きないまま繰り返されることで、いつの間にか「普通」になってしまう現象です。

もともとは航空宇宙や医療、安全管理の分野で使われる言葉ですが、保育や子育てにも通じるものがあります。

例えば、

「今日は忙しいから、こどもの話は後で聞こう。」

「時間がないから、こどもの意見は聞かずに大人が決めてしまおう。」

「今日はわたしの機嫌が悪いから、少し強く言ってしまっても仕方ないだろう。」

その一つひとつの「例外」は、一回だけなら大きな問題にはならないかもしれません。

でも、その「これぐらい」が何度も繰り返されると、少しずつ当たり前になっていきます。

こどもの話を最後まで聞かないこと。

待つ前に、大人が手を出してしまうこと。

こどもが考える前に、大人が答えを出してしまうこと。

最初は「今日だけ」のつもりだったことが、やがて「いつものやり方」になります。

そして、その「いつものやり方」が、家庭や園の文化になっていくのです。

文化のレベルになってしまうと、こどももその関わり方に慣れていきます。

大人に決めてもらうことが当たり前になれば、自分で考える前に指示を待つようになります。

強い言い方が当たり前になれば、それを「そういうもの」として受け止めるようになるかもしれません。

大人の側も、一度それがあたりまえになると、そこから関わり方を変えることは簡単ではありません。

「今までこうしてきたから。」

「このやり方で特に問題はなかったから。」

そうして、こどもも大人も、その関わり方に少しずつ適応していきます。

だからこそ、「これぐらい、いいだろう。」が当たり前になってしまう前に、ときどき立ち止まって振り返ることが大切なのだと思います。

もちろん、人は機械ではありません。

忙しい日もあります。

疲れている日もあります。

心に余裕がなくなる日もあります。

どうしても、人間には「ゆらぎ」があります。

ですから、一度うまくできなかったことを過度に責める必要はありません。

大切なのは「これぐらい、いいだろう。」が積み重なり、それが当たり前になってしまわないように、良いサイクルに戻そうとすることです。

良い関わりも同じように積み重なります。

こどもの話を最後まで聞く。

口を出さずに待ってみる。

「どうしたい?」と尋ねてみる。

自分で選べる場面をつくる。

これも、一つひとつは小さなことです。

それをしたからと言ってすぐに大きな変化が見えるわけではありません。

それでも、その積み重ねは、こどもの育ちを支えていきます。

「自分で考えていいんだ。」

「失敗しても大丈夫なんだ。」

「挑戦してみよう。」

そんな気持ちが育まれます。

そして、その挑戦が成功体験となり、自信につながり、また次の挑戦へとつながっていきます。

これがグッドサイクルです。

保育も子育ても、私たち大人が完璧である必要はありません。

大切なのは、「今日はできなかった。でも、明日は少し待ってみよう。」と、良い関わりに戻ろうとすることです。

毎日100点を目指すのではなく、昨日より少しだけこどもを信じてみる。

その積み重ねこそが、保育や子育ての質を高めていくのだと思います。

ちょっとずつ、いいことを積み重ねる。

こどもの話を最後まで聞く。

手を貸すのを我慢して待ってみる。

笑顔で応えてみる。

一つひとつは、本当に小さなことです。

でも、その小さな積み重ねは、やがてこどもの育ちとなり、家庭や園の文化となり、未来をつくっていきます。

私たちが大切にしたいのは、一度の素晴らしい実践ではありません。

見栄えのする取り組みを無理に続けることでもありません。

続けられる小さな実践を、毎日少しずつ積み重ねることです。

反対に、「これぐらい、いいだろう。」という小さな妥協も、積み重なれば当たり前になります。

未来をつくるのは、大きな一歩ではなく、毎日の小さな一歩です。

だから私たちは、今日もまた一つ、「こどものためになる小さな選択」を積み重ねていきたいと思います。

その積み重ねが、こどもたちの未来を育て、保育や子育ての質を育てていくのだと信じています。