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長いような短いような1月もいよいよ最終日を迎えました。
ここのところ寒い日が続きましたが、暑いと言って上着を脱ぐほど元気いっぱいに体を動かしているこども達の姿がありました。ついつい、暑いから外に出たくないなとか、寒いから外に出たくないなとか、内にこもりがちになりそうですが、それぞれの季節感を全身で浴びる経験も大切にしたいですね。
今月も、こども達のかわいい写真のあとに、保育に関して記事を書いておりますので、ご興味のある方はぜひ(^^♪
今月もありがとうございました。来月もよろしくお願いいたします!
園長









「こどもがなぜ立ち止まってしまうのか。」
こどもと関わっていて、または職場で働いていて、こんな場面はないでしょうか。
「自分で考えて」と言ったのに、失敗した後に「なんで相談しなかったの」と叱ってしまうおとなの姿をみかけることがあります。「自分で考えて」と言っているのに、実際にやってほしいことは、「困ったら相談してほしい」だったわけです。しかし、相談をしにきていたとしても「そのくらい自分で考えて」と叱っていたかもしれません。
自分で決めたら叱られてしまう。
でも、聞いても叱られてしまう。
このような、どちらを選んでも失敗になってしまう状態を、ダブルバインドといいます。
他にも、私が小さい頃のことを思い返すと、こんな場面がありました。
嫌いな食べ物があって、なかなかお箸が進まない子に対して「もう食べなくていいよ」と先生が言ったのに、実際に残すと叱られてしまう。
おそらく本当は、はやく食べてほしかったのだと思います。
極めつけは、「いやだ」と泣きながらもなんとか食べきった子に対して、「食べられるなら最初からさっさと食べなさい!」と叱るおとなもいました。
食べても叱られ、食べなくても叱られる。
このダブルバインドの状態で、こどもに残された選択肢は、給食と向き合ったまま動けなくなることだけだったのではないでしょうか。そんな子の姿を前にしておとなは、「食べるの?食べないの?どっち?」と迫る。こうして、さらにダブルバインドが重ねられていくことになります。
ダブルバインドを繰り返すと、次第に「何もしない」ことを選ぶようになります。
そのほうが、怒られずにいられる可能性が高いからです。
けれども、そんな姿を見て、
「なんで何もしないの」
「言われる前にやらなきゃ」
とさらに叱ってしまうおとながいます。
つまり、どちらを選んでも叱られ、どちらも選ばなくても叱られるのです。「どう行動したとしても否定されてしまう」わけですから、自己肯定感を傷つけられ続けます。
似たような言葉に、ダブルスタンダードも存在します。
ダブルスタンダードとは、同じ事柄に対して、人や状況によって基準を使い分ける事です。同じ行動をある人がする時は肯定的に捉え、ある人がするときは否定的にとらえるというような状態が、これに該当します。
たとえば、自分は大きな声を出して怒るのに、こどもが怒った時に大きな声を出すと「そんなに大きな声を出さなくていい!」とか、「そんな言い方しない!」みたいに言うおとながいます。「自分もしてるじゃん」と言われると、
「おとなとこどもは違うでしょ」とか、
「状況が違うでしょ」と返してしまうことになります。
確かに、おとなとこどもでは、立場や役割が違い、すべてを同じ基準で考える事は出来ません。
しかし、その違いがきちんと説明されないまま、そのかかわりが続いてしまうと、こどもは何が良くて、何がいけないのかを理解しにくくなります。
加えて、こどもに「それはしてはいけない」と伝えている行動を、おとながしている姿を見続けることで、こどもは強い違和感を覚えます。
また、大人がいうことは「意見」と受け取られる一方で、こどもが言うことは「わがまま」や「口ごたえ」と受け取られてしまう場面もあります。同じように自分の考えを伝えているだけなのに、立場によって評価が変わってしまうのです。これも、ダブルスタンダードの典型的な例です。
こどもにとって、おとなは身近な存在です。日々の関わりの中で、言葉だけでなく、おとなの行動や態度そのものを見ながら、多くのことを学んでいます。身近なおとなの行動を見て、本人なりに、「この場面では、このように振舞うのだ」と学んでいくのです。その学びの結果としてとった行動を、注意されてしまうという経験を繰り返すと、「自分で観察して学ぶ」という行動を避けるようになっていきます。
自分で考えて動くことが良い結果に繋がらない環境では、主体性は育ちにくくなります。主体性を発揮せず、受け身でいたほうが安全だと学んでいくからです。それは、怠けているわけでも、何も考えていないわけでもなく、自分を守るために身につけた姿勢なのかもしれません。
ダブルバインドやダブルスタンダードを完全に避けるということは、かなり難しいと思っています。しかし、こどもの混乱や不安につながりやすい関わりである以上、気づいた分については意識して減らしていくことが大切だと感じています。
私たちおとなができることは、矛盾に気付いたときに立ち止まり、伝え直すことです。その際には、基準や理由を説明するべきです。きちんと説明ができないルールや基準なら、そのルール自体を見直すことも必要だと思います。
そうして、こども達自身が「どうしたらいいか」を考え、行動していく。その過程の中で、ときにルールや基準づくりにもこども達自身が関わっていく。そうした経験そのものが、主体性を育む土台になっていくのだと考えています。