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”文脈を楽しみましょう”

すっかりと寒くなったかと思いきや、今日の昼は半袖でもいいぐらいポカポカで。今日は未満児さんのお散歩に同行しました。前に通った時よりも、果実が熟していたり、植物が枯れていたり、季節の変化を楽しみながら足取り軽やかなみんなでした。

11月も最後の開園日を迎え、今年も残すところあと1ヶ月となりました。

残り1ヶ月、感染症に気を付けながら外でいっぱい遊びたいところですね。

今月も、写真のあとに保育・子育てに関してちょっと語りますので、ご興味ある方はぜひご覧ください(^^♪

今月もありがとうございました。来月もよろしくお願いいたします!

園長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先日園庭で遊んでいると、ある場面を目撃しました

AくんとBくんがボールの取り合いになっていました。取り合いはやがて叩きあいに発展し、AくんはBくんに顔をたたかれ、泣き出してしまいました。

 

そこにCくんがかけつけてきて、「Bくんなにしてんの!、Aくん、一緒に遊ぼう」と手を引いていきながら、Bくんには「はいってこないでよ!」と告げていました。

 

みなさんは、このCくんの行動をどう思われますか?善いですか?悪いですか?それはなぜですか?どんな声掛けが必要だと思いますか。

僕は卑怯かもしれませんが、なんともいえません。背景がわからないからです。

単純に、Aくんへの思いやりからの行動かもしれませんし、ボールを手に入れるという目的達成のためのアライアンスかもしれません。また、“仲間外れ”の行動の背景には、「悪人に対する悪は許される」というような考えが存在する可能性も考えられます。

 

それぞれ、どのような考えで、どのような問題があり、どのような対応が考えられるかと話していくと長すぎるのでやめておき、私が今回述べたいのは、場面を切り取ってはいけないということです。

ちょくちょく「私は全部見ていた」という人がいますが、一部始終を見ていたとしても、それが“全体”ではありません

 

人は人生という文脈の中で生きていますから、午前中や昨日、先月等々、過去と繋がった今を生きています。どんな行動にも、背景や考えがあります。文脈によって、とっている行動の意味の解釈は大きく変わります。意味の変化とともに、同じ行動の社会的価値が善から悪に、悪から全に一転することもあるわけです。

見せかけだけをとらえて背景がわからないままでは、明後日の方向の声掛けをしてしまうかもしれません。ですから、われわれおとなには、こどもの表出する行動や言動だけにとらわれない考え方が求められます。こどもを観察したり、対話したりしながら、文脈を丁寧に紐解いていく必要があります。

年齢が上がるほど、喋られるようになるからわかりやすくなるかと思いきや、直接的ではない争いの様相が現れ始めますし、攻撃の様相を呈さない攻撃も行われるようになります。

大人から見た“よい子”な振る舞いが、ただの攻撃衝動、快楽衝動だということもありますし、”困った子“な振る舞いが、他者への思いやりだったりもするわけです。

 

見せかけにとらわれず、こどもの人生の文脈を楽しんでみてください。小さくてもちゃんといろいろ考えていますから、とってもおもしろいですよ。